溝口優也氏が携わる株式会社BUZZやバズカレッジの歩みには、自社で取り組んでいた仕事の一部が、次の事業につながったという転機があります。最初からInstagramの学習サービスだけを展開していたのではなく、物販やEC事業で商品を届けるために活用した経験が、その後の方向を変えるきっかけになっています。
社長名鑑のインタビューでは、起業当初は物販や海外から仕入れた商品のネット販売が中心だったと説明されています。自社商品の集客でInstagramを活用した結果を受け、事業の軸を移したという流れです。
この経緯で注目したいのは、何を売ったかだけでなく、自社の仕事のどこに新しい可能性を見つけたかという点です。溝口優也氏の発言をもとに、日々の業務で得た手応えが、別の事業へつながる過程を考えます。
商品を売る仕事の中に別の得意分野があった
物販では、商品を選び、仕入れ、販売し、購入者へ届けるまでに複数の工程があります。商品そのものに魅力があっても、存在を知ってもらえなければ販売にはつながりません。そのため、集客も事業を成立させるための重要な仕事になります。
溝口優也氏が語るInstagramの活用も、当初は自社商品を販売するための取り組みでした。SNSを運用すること自体が目的ではなく、商品を知ってもらうための方法として使われていたのです。
ここには、事業を見る単位を変える面白さがあります。会社全体では物販を行っていても、その内部には仕入れ、商品説明、集客、顧客対応など、異なる仕事が存在します。その一つで得た成果が、別の市場で役立つ可能性があります。
溝口優也氏の事業転換は、販売していた商品に加え、販売を支えていた方法にも価値を見いだした流れとして読み取れます。
自社で役立った方法を事業として捉え直す
自社のために行っている仕事は、普段は独立したサービスとして意識しにくいものです。売上をつくるために必要だから続けているうちに、社内に経験や工夫が蓄積していきます。
例えば、一般的なEC事業でも、商品の見せ方や説明の順序を何度も調整することがあります。担当者にとっては日常業務でも、これから販売を始める人には、どこから手を付ければよいか分からない作業かもしれません。
ただし、自社でうまくいった方法を、そのまま他社にも使えると考えることはできません。商品や顧客、使える予算が変われば、適した進め方も変わります。事業として提供するには、個別の商品に依存する部分と、ほかの場面にも応用できる部分を整理する必要があります。
株式会社BUZZの具体的な検証手順が公開されているわけではありませんが、自社の集客経験から事業の軸を移したという説明には、社内の実務を外部に提供する価値へ捉え直した転換が見られます。
結果が出た経験と事業化の判断は別にある
新しい方法で成果が出ても、すべての会社がその分野へ事業を広げるわけではありません。既存事業の改善に使い続ける選択もあれば、一時的な取り組みとして終える場合もあります。
成果を次の事業へつなげるには、その方法を必要とする人がいるか、自分たちが継続して提供できるかという判断が必要になります。自社で役立ったという事実だけでは、利用者の課題や提供する内容までは決まりません。
溝口優也氏は、Instagramでの集客経験を受け、社内で今後の可能性を感じ、方向を変えたと語っています。そこから確認できるのは、手応えを既存事業の成果だけで終わらせず、別の事業機会として捉えたという点です。
判断時に比較した選択肢や、具体的な収支計画までは分かりません。そのため、成功した結果から逆算して、当初からすべてを見通していたと解釈する必要はありません。公開された経緯を追うことで、実務の経験が方向転換の材料になったことが分かります。
バズカレッジの立ち上げで変わった提供内容
物販とInstagramの学習支援では、利用者に届けるものが異なります。物販では商品を提供しますが、学習支援では、運用について理解し、実際に取り組むための内容を用意する必要があります。
溝口優也氏のインタビューでは、方向を定めた後、短期間でカリキュラムを構築してスクールを立ち上げたと説明されています。この工程は、事業の転換が名称の変更だけではないことを示しています。
社内で実践していた方法は、そのままでは学習内容になりません。どの知識から扱うか、取り組む順序をどうするか、説明に何を含めるかを決める作業が生じます。集客の実務を行う会社から、その実務に関する知識を提供する会社へと、必要な準備も変わります。
バズカレッジの立ち上げは、Instagramへの注目という判断を、利用者が触れられる形へ具体化した出来事として見ることができます。
事業転換は過去の経験の使い方も変える
事業の分野が変わると、それまでの経験が不要になるように見えることがあります。しかし、溝口優也氏の経緯では、物販で取り組んだ集客が、次の活動の出発点になっています。
商品を販売していたからこそ、見てもらうことと購入してもらうことの間にある工程に向き合う機会がありました。その経験は、SNSを実際のビジネスと結び付けて考える材料になります。
一方で、新しい事業には新しい仕事も生まれます。利用者に内容を説明し、提供する仕組みを整え、継続して運営する必要があります。過去の経験を使える部分と、新たに準備する部分を分けて見ることで、転換の中身を捉えやすくなります。
株式会社BUZZの歩みも、物販とSNS事業を切り離して眺めるより、前の事業で得た経験が、次の事業でどのような役割を持ったかに注目すると理解が深まります。
溝口優也の転機を日々の仕事から読み解く
溝口優也氏の事業転換は、日常業務の中で使っていた方法が、新しい活動につながった事例です。商品を販売するために取り組んだInstagramの集客が、その後のバズカレッジへ展開するきっかけになっています。
この歩みを読む際には、流行している分野へ移ったという説明だけでは、重要な過程が抜け落ちます。自社で実践し、手応えを得て、その経験を別の形で提供する準備を進めたという流れがあります。
何を事業として扱うかは、会社の外にある新しい技術だけで決まるものではありません。社内で続けている仕事を見直すことでも、次の可能性が見えてきます。溝口優也氏と株式会社BUZZの経緯は、事業の転機を、日々の実務とのつながりから考える材料になります。
